手や足の爪が白く濁って気になる…そんな人も少なくないようです。そこで、爪が白くなってしまう原因や対処の方法などを紹介していきます。爪が白くなる症状には病気や体調不良が隠れていることもあるので注意が必要です。
健康状態は爪に現れる
爪を定期的に切ったりヤスリで削っているという人がほとんどですが、一般的に爪が伸びるスピードは1日で0.1mm前後ほどと言われています。爪の形にもよりますが、現状から丸々新しい爪に入れ替わるまでおよそ半年程度は必要ということになります。
そのため、爪は現在の健康状態だけではなく過去数ヶ月間の健康状態がわかるとも言われているものです。もちろん、爪ですべてが分かるわけではないですが、爪からも数多くの情報が得られるのは間違いありません。
白くなるというのもその一つで、その状況によって体の不調などがわかるかもしれないのです。
爪が白くなる原因
貧血によるもの
爪が白くなる原因には様々なものがありますが、代表的なものに貧血があります。
貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が減った状態のことなので、一見爪とは関係ないように感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、爪を見ていると爪の下にある皮膚の血液の色によりピンク色になっていることがわかります。実際、健康な人であれば爪を上からギュッと押してみると白くなり、その後ピンク色に戻ることが確認できるはずです。
これが貧血の人だと血液の色が見えにくくなり、白く見えてしまうことがあるのです。つまり、爪が白くなっているのではなく、爪の下の皮膚が貧血により白くなっているということです。
疲れやすかったり動悸があるという方や、貧血を自覚している人はその影響で爪が白く見えている可能性があります。その場合は鉄分を摂取するなど貧血を改善させることで爪の色も正常に見えるようになるでしょう。
貧血の症状がひどい場合には爪の中央が凹んだスプーン状になったり、二枚爪になることもありますので出来るだけ早い対処が必要です。
肝臓の病気
肝臓の病気が原因で爪が白くなるというケースもあります。
慢性肝炎や肝硬変などになると肝臓の機能が低下し、爪が白く濁ってしまうことがあるのです。肝硬変になると命の危険にも及びますが、肝硬変まで肝臓疾患が進むと8割程度の人に爪の白濁といった症状が出るとされています。
肝臓は沈黙の臓器とも言われていて、かなり進行しないと自覚症状が出ないと言われていますので、健康診断や人間ドックなどを定期的に受けていないという人の場合は注意が必要です。
この場合の対処法としては、爪に原因があるのではなく肝臓に原因があるので病院で肝臓の治療を行うということが必要になります。
ネフローゼ症候群
糖尿病腎症や膠原病など慢性腎疾患を患っている人はネフローゼ症候群という病気になることがあります。
ネフローゼ症候群になると、血液中のタンパク質が尿中に流出してしまい血液中のタンパク質量が不足してしまいます。これにより腎臓の機能が低下し、むくみや、爪に帯状の白い線が生じることがあるのです。
このタイプの爪が白くなる症状は、どこか特定の爪にだけ生じるというものではなくほとんどの爪に同時に生じるのが特徴となっています。
ただ、爪が白くなっただけではネフローゼ症候群と判断できません。気になったら内科医に診てもらい検査を行うことが得策です。
爪水虫による白濁
水虫というと足の指に出来るものというイメージを持つ方が多いですが、爪白癬という爪に出来る水虫も存在しています。白癬菌という菌が爪で繁殖することによって発症する水虫になるのですが、少し黄色っぽく白濁するのが特徴です。白濁するだけではなく爪が厚くなるのも特徴の一つです。
爪水虫による白濁は、原因となっている白癬菌を死滅させることで改善させることが可能です。爪水虫は自然治癒することがありません。以前までは飲み薬でないと治せないと言われていましたが、爪水虫に効果的な塗り薬も出てきています。また、自費診療にはなりますが、レーザー治療も効果的と言われています。