足の爪の厚みが増していると感じたら、何らかのトラブルを抱えている可能性があります。このような症状がある場合に疑われるのが、例えば爪肥厚症という病気です。爪肥厚症になると、爪が通常よりも厚くなってきます。爪肥厚症になってしまう原因や症状が見られたときの対処法について解説します。
靴による刺激が一因に
爪肥厚症(ハイパートロフィ)は、性別を問わず見られる病気です。この病気の原因として考えられるのが、例えば靴によって生じる刺激です。
日常的に加わる刺激は、爪肥厚症を引き起こす要因の1つ。指先に負担のかかる靴を無理して履いていると、常に足の爪に刺激が加わりますので、爪肥厚症を引き起こしやすくなります。
つま先の細いハイヒールなどは特に足の爪に負担がかかりやすく、爪肥厚症のリスクがアップします。事実、爪肥厚症は女性にも多く見られる病気であり、毎日履いている靴の影響は決して侮れません。男性の場合にも、きつい靴などを愛用していると、女性同様にリスクが高くなってきますので要注意です。
厚みを増した爪は見た目よりももろく、ちょっとした刺激でひびや割れが生じることもあるため、このようなトラブルが見られたら爪の厚みをチェックしておきましょう。
爪の手入れに問題がある可能性も
健康な爪を保つには、日頃のお手入れが大切。お手入れが不十分な場合にも、発症のリスクが高くなります。
指先まできちんと洗えていない場合には、爪のまわりの角質が落ちにくくなってしまいます。古い角質や汚れが溜まって細菌感染を起こすと、爪肥厚症の症状があらわれてくる場合も。
また、深く爪を切り過ぎる習慣がある方も、爪の状態には常に気を配りましょう。深爪は、リスクを高める要因です。深爪の状態になると爪にも負担がかかりやすく、伸びてきた爪によって皮膚が傷つくこともあり得ます。細菌感染の可能性もでてきますので、爪の切り方には注意を払いましょう。
また、乾燥によって爪が厚くなってしまうケースも見られます。指先の保湿をしていない乾燥肌の方や高齢の方の場合は、爪の水分量の減少も原因の1つになってくるでしょう。
爪肥厚症を引き起こす病気
爪肥厚症の症状は、病気とも関係している可能性もあります。爪に症状が出る病気としては、糖尿病が挙げられます。
糖尿病の方によく見られるのが、足の爪の変形です。糖尿病になると、巻き爪、爪肥厚症などの症状があらわれることも少なくありません。現在治療中の方はもちろん、爪の異常がきっかけになって、糖尿病の存在に気づくこともあるでしょう。
細菌によって引き起こされる水虫やカンジダ症なども、爪を厚くする病気として有名です。また、爪が厚くなる場合には血流や栄養状態などに問題がある可能性も。爪肥厚症は、こういったさまざまな可能性が考えられるため、軽く捉えないことが大切です。
爪肥厚症の対処法
万が一、気になる症状が見られたら、すぐに対処を行うのがよい方法です。病院を利用する場合には、皮膚科などで相談ができます。
検査で特に異常がなければ、大概は症状に合わせたフットケアなどが行われます。炎症がある場合は、化膿止めなどが処方されることもあるでしょう。
現在は、こういった病院を利用して治療する以外にも、フットケアのサロンでケアを受けるという方法が選べます。足のトラブルを専門にケアする施設が登場していますので、気軽にフットケアのプロに相談ができるでしょう。
爪肥厚症のフットケアでは、厚くなった爪の表面を特殊なマシンで削るといったアプローチが行われます。このような方法で症状を抑えるとともに、原因のチェックも同時進行で進めていきましょう。普段履いている靴や足のお手入れ方法を見直すと、再発を防げます。