透明であるはずの爪がなんだか茶色い気がする、と気にしていませんか。なにかの病気かと心配
になってしまいますが、爪が茶色になってしまう理由は一つだけではありません。症状によって原因も対処法も違ってくるのです。
今回は、どうして爪が茶色になってしまうのか、その症状から原因、対処法まで詳しく解説していきます。
爪甲色素線条の可能性
爪甲色素線条とは、爪に黒や茶色で線条に色素が沈着している状態のことを言います。これはほとんどの場合は良性で、色素が沈着している以外には特に害はありません。
爪甲色素線条は細菌感染や生活習慣の乱れ、ストレス、加齢による色素沈着などが原因で現れます。対策としては生活習慣を改善することやストレスを溜めないということがあげられます。野菜をあまり食べないなど偏った食生活はよくありませんので、バランスの良い食事を心がけましょう。
また乾燥していると更に変色してしまう可能性がありますので、保湿をしっかりすることも大切です。どうしても気になる場合は、皮膚科を受診して相談してみるのもいいでしょう。
爪水虫の可能性
爪水虫が原因で爪が茶色っぽくなるといったことも考えられます。白癬菌というカビ(真菌)の一種が爪を皮膚の間に入り込み、爪のたんぱくを栄養にして感染してしまうことで、徐々に爪が変色していくのです。
最初は透明だった爪が徐々に黄色になり、進行すると茶色や茶褐色になってしまいます。ここまでくると、だいぶ悪化していて爪がボロボロとこぼれて茶色い垢のようになるなどの症状も出ます。爪が茶色になってしまった爪水虫は病院などで治療するか、市販薬で治療しましょう。
爪水虫は治療せずに自然治癒することはありませんので、しっかりとした治療を受けて水虫を完治させる必要があります。
病院で水虫の治療を行う場合は、内服薬と塗り薬の2種類の方法があります。主流なのは内服薬になります。どちらの方法でも白癬菌が死滅して新しい爪が生えるまで治療を続ける必要がありますので、最低でも半年ほどかかると見ていた方がいいでしょう。完治する前に中断してしまうと再発しますので、しっかりと完治するまで続けてください。
市販薬での治療は、塗り薬になります。爪水虫に効果のある塗り薬も多く出回っていますので、こちらも完治するまで塗り続けることが重要になります。
爪水虫の原因や治療法については以下の記事をごらんください。
メラノーマの可能性
メラノーマという悪性の病気の可能性もあります。メラノーマは、悪性黒色腫とも呼ばれていて皮膚がんの一種です。これは、皮膚細胞の悪性化が原因で、加齢によりメラノーマの発症確率は上がっていくことがわかっています。
メラノーマは爪に線条の変色が現れ、次第にその線が太くなるという特徴があるので、徐々に範囲が広くなるようでしたらすぐに病院を受診しましょう。血豆やほくろではと思ってしまいがちですが、素人に診断は難しいので、病院を受診したほうが無難だと言えます。
爪のメラノーマは切除手術を行うことが基本の治療になります。がんの一種でるので転移の可能性もありますから、早期に切除することが重要です。
このメラノーマを防ぐためには予防が大切です。爪の健康を保つ生活を心がけましょう。具体的には、爪を生成するケラチンを多く摂るようにしたり、ケラチン配合のハンドクリームで保湿をするなどが効果的です。
爪の変色の理由はさまざま
このように、爪が茶色く変色してしまう原因はさまざまあります。その原因によって、変色の特徴や治療方法は違ってきますから、自分の変色がどのタイプなのか見極める必要があります。特に爪水虫は移る病気ですから、家族などに感染させてしまう前にしっかりと治療をはじめて完治させることが大切になります。
色が変わっているだけ、と軽く考えがちな爪の変色ですが思わぬ病気だったりストレスの警告だったりする場合もあります。体の異変を表すバロメーターのような意味もありますから、普段から気を付けて爪をチェックするのもいいかもしれません。